昔、数年くらい前までは、新天体は日本人がたくさん見つけていた。彼らは自慢の双眼鏡や カメラ を毎晩空に向け、何年もかけて新しい星を見つけ出していた。こういったなかなか報われない作業を黙々と続けるのは、日本人の気質にあっているのだろうか。
ところが、最近事情が変わってきた。自動制御の天体カメラが現れ、コンピューターが多くの新天体を見つけはじめたのだ。
そこで、私も真似して自動制御天体カメラを作ってみることにしました。
最初に作ったのは下のような試作品。自作のデジタルカメラと赤道儀をコンピューターで動かす仕組みだ。基本的には人間が行っていた作業をパソコンに代わってやってもらうようにした。撮影の命令はあらかじめ組み込んでおくことも出来るし、インターネットから受け取ることも出来る。
自動制御天体カメラの試作品。貧相だがインターネット経由で操作ができた。
さて、いよいよ試験撮影してみると...大きな問題があることに気づいた。システムが複雑すぎて、電源を入れるまでにチェックする項目が非常に多い。しかも機械的に動く部分が多くて、故障や不具合の出る確率が高い。人がいなくても自動的に動いてくれる装置を作ったはずなのに、これでは人がそばにいて監視していなければならない。
そこで、0から設計を考えなおしてみることにしました。最初に作ったものはただ単にコンピュータを人の代わりにしただけのものでしたが、それが失敗の原因でした。
今度は設計の第一条件をシンプルで機械動作部分の極力少ないとしました。たとえ性能が悪くなっても、簡単になることを優先させます。機械部分を減らすのに一番効果的なのは、天体カメラを固定させてしまうことです。そこで、カメラを固定したままでも撮影できる方法を考えてみました。
走査式天体写真撮影法
電子追尾式天体写真撮影法
2つとも特許申請してみましたが、残念ながら後者の方はアメリカでDriftScanという名称ですでに知られた技術でした。
「走査式天体写真撮影法」を使った自動撮影カメラを作ってみました。機械的に動くのは、昼間に太陽でCCDを焼かないためのシャッター1つだけ。このシステムなら単身赴任で週末しかメンテナンスできない私にも十分に運用できます。
さて新星探しの方なのですが、思い切って一切行わず、画像をそのままインターネットで流すことにしました。本末転倒のようですが、インターネットを通じて意欲のある人に探してもらったほうが成果が上がると考えました。実際、私としては新星探しより、ものつくりの方が興味あったし(^^;;。
ちなみに現在はCCDを高性能にした新システムを製作中。それが完成したら「電子追尾式天体写真撮影法」を使ったカメラを作る予定。何年かかるかわからないけどね。
製作中のカメラ
レンズ越しにCCDを覗き込んだところ。CCDはFAXやコピー機に使われる一次元CCDを使う。
保護箱の中に並べます。
設置完了。

試写画像。天気がよければ8.5等星くらいまで写ります。
作成日: 2003-10-05 20:59:00
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