まず、下の図のような カメラ を用意します。普通のものと違う点はフィルムの代わりに一次元CCD(受光素子が一列に並んだCCDのことです。バーコードリーダーやスキャナーに使われます。普通の縦横方向に素子が並んでいます。)を使うことです。
このため、撮影出来る範囲は図のように線状の範囲だけになります。
このカメラを夜空に向けます。撮影範囲が天球の経度線に平行になるように調整しましょう。

何台か設置すると下図のような感じになります。この状態で撮影を繰り返します。地球は回っているので毎回撮影する天球の位置は少しづつずれます。
そうすると...もうお分かりですね。撮影した線状のdataを並べて復元すれば天体写真が出来上がります。

ここで従来の撮影方法からどこが改善されたのかご説明いたします。(従来の撮影方法とは固定撮影、すなわち普通のカメラを夜空に向けて固定し、数秒間シャッターを開けて撮影する方法を示します。)
継ぎ目のないパノラマ写真が出来る。
上の図のように数台のカメラを並べて同時に撮影した画像を張り合わせると、下図のようにピッタリと合います。これは元々の線状dataが天の経度線に平行なために、出来た天体写真の天の経緯度線が直交するためです。
南半球にも同じカメラを配置すれば全天のパノラマ写真も出来ます。

普通のカメラで撮影した写真を貼りあわせると下の図のようにピッタリ合いません。これはフィルム上で天の経緯度線が直交していないためです。

視野の狭い場所でも撮影可能
夜空の十分に開けていない場所でも必要な細長い範囲が見えれば撮影可能です。上の図のように地上の障害物が入ってしまうことはありません。
機械部分がほとんどない
CCDを用いるため、電子式に作動します。また、星の動きを追う装置も不要です。唯一必要なのは昼間太陽にCCDを焼かれないために必要なシャッターです。
機械部分の少ないことは故障や手入れの手間の少なさにつながります。
もちろんこの撮影方法にも欠点があります。
まず、星の像が天の極近くで伸びてしまうことです。この理由は地図のメルカトル図法によく似ていますね。
最大の欠点は撮影出来る星の明るさの限界です。普通天体写真を撮影する場合は星の動きを追う装置を使って長時間シャッターを開き続けます。しかしこの撮影方法では星の動きを逆に利用しているために、たとえシャッターを開け続けても星が逃げていってしまいます。つまり星の光をためる限界が最初から決まっています。この撮影方法の限界等級は9等星程度です。
作成日: 2002-10-04 00:00:00
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